「井戸掘りは自分でできます!」
初めて井戸掘りをするド素人がウェブの情報を基に、試行錯誤で塩ビ管と電動工具を使ったDIY自作井戸掘り機を使い安価な費用で浅井戸を自宅の庭にて自力で掘り当てました。
2016年4月29日作業開始、週末午前中作業がメインで、5月29日8.1メートル掘削にて終了。水が出るまでの1カ月間の記録をまとめましたので自作井戸堀りのマニュアルとして参考にしていただければ幸いです。
井戸を掘るきっかけは?
2016年4月14日に熊本地震が発生した際、水道が止まった為に多くの方が困った姿を目の当たりにしました。給水車があるので飲み水には困らなかったようですが、多くの水を必要とするお風呂やトイレを利用することが出来ず、苦痛を強いられた方が多くいらっしゃったようです。
「こんなことになってはいけない。ならば、自宅に井戸を掘って有事の際に水が絶たれないようにしたい!」という思いで、自宅への井戸掘りを思い立ちました。
どのように掘り進めたの?
塩ビパイプの先にスコップや金属刃先を取り付けたりしながら、直径75㎜の穴を掘り進めました。約2.0m掘ったところで地下水面が出てきましたが、浅い層から出る水にはカナケ分が多く、また汲み上げにより水位が下がり水量不足になる為納得のいく水質水量が得られるまで掘り進めることにしました。
カナケ分の多い砂礫層(最大で20㎜の礫あり)と茶色い粘土層が5mまで続き、その後亜炭を含む灰色の硬い粘土層に変化、そこから徐々に細かい砂になり最終的に7mには灰色の砂浜のような砂に変化。次の粘土層に突き当たりこれ以上掘り進めるのが難しくなった8.1mにて掘削を終了しました。
費用はどれくらいかかったの?
主に塩化ビニールパイプ購入費用等で1万円程度かかりました。最初から大きな費用が発生するのではなく、掘削するたびに塩ビパイプを足していったり、先端に付ける工具を買い足したりしていく感じでした。
完成後は、手押しポンプを楽天で1万円程度で購入しました。後にインドネシアで電動浅井戸ポンプを1万円程度で購入して輸入し、庭に設置しました。
何回もホームセンターに通い、細かな支出が続くことになると思いますが、自分でやれば総額3万あれば作れるのではないでしょうか?
規制等は大丈夫?
各地域ごとに許可や採掘権、規制が必要な場合もありますので、掘る際には確認することをお勧めいたします。このあたりは皆様からのコメントを参照下さい。
例えば…
- 地盤沈下が起こりやすい地区では、地下水汲み上げ規制
- 地下に地下鉄等構造物があったり遺跡がある場合は、掘削許可
- 軟弱地盤や宅地造成規制地区では、掘削規制
- 温泉などがわき出ている場所では、温泉汲み上げ利権
- 井戸水を下水に流す場合は、下水道料金の発生
それぞれ絡んでくる可能性があります。
今回紹介している方法ではたかだか10m未満で掘削径80㎜以下、汲み上げ量もたかだか家庭用途の間欠的な汲み上げの場合、規制を受けるケースが少ないと思います。
浅井戸が近くにある場合は問題がないと思いますが、不明な場合は当該地区の役所に聞くと良いと思います。
水質は?
水質は、その後保健所で検査を受け、若干カナケ分が多いものの雑菌もほぼ無く、通常使用は問題ないようです。
浅井戸の場合は飲料として用いるのはリスクが大きいと思います。検査した時に問題が無くても、その後に近隣で工事があって泥水が流入したりすれば、水質の変化の影響を受けやすいのも浅井戸の問題点です。
ですので、飲料としては使用せずに、庭の水まき、水遊び、洗車などの用途がおすすめです。非常時には、泥流し・手洗いなど洗浄用、洗濯用、トイレの流し水として活用が期待されます。
私の場合は名古屋市の防災井戸認定も受けました。井戸水の温度は夏冬共に約17℃です。現在は専ら庭の水まきや水遊びで使用しています。